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おてつたび、やってみた。(第3話)~実録:お金を稼ぐのはラクじゃない~

おてつたび、やってみた。(第2話)~自己PRは大変だ~ に続く
(お断り)この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません

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「癒やしの館」に着いた

おてつたびでマッチングしたのは福井県の海辺にある民宿「セ・ラ・セゾン」(仮称)です。
福井県を訪れるのは初めてです。
福井県と富山県は同じ北陸3県と言われ、もとは加賀藩の経済圏。
富山民としては「金沢のちょっと先くらいかな?」と勝手に親近感を持っていたのですが、実際に車を走らせてみると200キロ以上あって、言葉も文化も随分違いを感じます。
言葉は関西弁に北陸の浜の訛りが混じっているような感じです。
お手伝い先の宿には「C’est la sasion」(仮称)とかっこいいフランス語の横文字が付けられ、「癒やしの館にようこそ」とのキャッチコピーが添えられています。

若狭湾の夕暮れ

この日は東京から向かったので約600キロ。
名古屋経由の下道で仮眠しつつ20時間かかりました。
18時頃に宿に到着したとき、あたりはもう真っ暗。
GoogleMapでは浜辺のすぐそばに目指すお宿があるようなのですが、人気のない集落で街灯も暗くてどこになにがあるか、よく分かりません。
あたりをぐるぐる探し回って、なんとか車を停めました。
1週間のお手伝い(おてつたび)の始まりです。

オーナーはどこだ?

とりあえずオーナーに挨拶しようと、大きな荷物を持ちながら探し回りました。
変わった施設で、宿泊棟とレストラン棟が集落の中にバラバラに建っているのです。
明かりの灯ったレストラン棟を見つけると、厨房の中でオーナーがフライパンを振っていました。
「いま到着しました」というと「すぐ入ってくれ」と怒鳴られました。
夕食の準備で、ちょうど忙しい時間のようでした。
シンクには洗い物が山のように積んでありました。
オーナーの言われるがままにひたすら皿を洗い、
オーナーが作った食事をゲストのテーブルに運び、
ゲストが食べ終わった食器を片付け、、、。
休む暇もなく4時間ほど働き続けて、ようやくこの日の仕事は終わりました。
22時を過ぎていました。
腹減った。

待望の晩飯(賄い)

オーナーさんが作ってくれた夕食(賄い)

オーナーが賄いを作ってくれて、一緒に食べました。
海鮮パスタは残り物で伸びてたけど、刺し身が美味かったです。
ビールをオーナーにご馳走になりました。
キリンのハートランドでした。
美味い。
胃袋に沁みわたります。

オーナーはシェフも兼ねていて、ひとりで宿とレストランを回しているそうです。
もとは一流シェフを雇ってフランス料理を提供しミシュランに掲載されたこともある。
けれど、いろいろ問題があってシェフには辞めてもらうことになり、いまはオーナーがオヤジの手料理を振る舞う形になってしまったのだとか。
いろんな苦労話を聞かせてもらい、お開きになったのは24時過ぎでした。

飲食店は性に合う

それにしても54年も生きてきて、私は飲食店で働くのは初めて。
とても新鮮な感覚です。
美味しいものをお客さんに食べてもらって喜ばれるとこちらも嬉しい。
お客さんの反応が目の前で見えるのがなにより楽しい。
飲食業は意外と性に合っているかもしれません。
政治家やって喜ばれることはあまりありませんからね。
この日は長距離運転の疲れもあり、部屋に戻ってぐったり寝ました。

泊る部屋はこんな感じ

泊まるお部屋(私物が散乱していて見苦しくてすみません)

ちなみに私が泊まる部屋は民宿の客室の一室です。
普段は1泊素泊まり7000円くらいで貸しているお部屋のようです。
障子を開けると僅かに海が見えます。
浜辺に面した建物で、波音が24時間楽しめます。
私の富山の自宅もそうですが、波音が聞こえる家は心が落ち着いて大好きです。
とても快適なお部屋でした。
しかし次の日。
別のおてつたびさん(バイト)が来るので、この部屋は明け渡してオーナーの自宅に移るよう言われました。
仕方なくオーナー宅に荷物を持っていったところ、噂通り衛生的にXXXな感じでした。
「嫌だなあ」と言えずにゴネていたら、「まあ今日は空いているからこのままでいいよ」と客室に滞在を許されました。
その後に満室で泊まる部屋がなくなったときはマイカーの中で寝ました(笑)。。

さて朝飯の準備だ

レストランの大きな窓から海が見える

さて次の日。
翌朝5時に起床して、6時から朝食の準備です。
7時から朝食のゲストのためにまずはお掃除。
浜辺の朝に合うような音楽をAmazon Musicで選んで掛けます。
その後は食器セッティングに配膳、そしてお片付け。
3時間ほど朝食会場でひたすら働いた後、9時すぎから自分の朝食です。
オーナーが美味しい賄いを作ってくれました。
ご飯はなんと土鍋のかまど炊き。
パッと蓋を上げると蒸気が立ち上がります。
ご飯が水っぽいのですが、この地方はこういう炊き方だという説明でした。
※お客さんからもご飯が水っぽいとクレームを言われましたが、同じように説明しました。

おいしい朝食(賄い)

おかずはスクランブルエッグと炙り刺し身と千切りキャベツ。
労働の後の飯はうまい。
さあ、食べた食べた、と。

次はお掃除だ

すこし休んで10時からは館内のお掃除です。
結構広い建物なのでお掃除は大変です。
でも、近所のパートさんがテキパキと働いてくれて、自分はお手伝いだけ(戦力外)。
女性はやっぱり優秀ですね。
やっと12時にお昼休みになり、待望のお弁当の時間。
コロッケとスパサラダ、チラシをバイト仲間の青年と分け合います。
ヤレヤレと食べた後、すこし仮眠します。

オーナーさんが街で買ってきてくれたお弁当(2人分)

次はチェックインの準備

一休みした後、14時からはチェックインの準備です。
予約システムのパソコンを叩き、今日到着するゲストの情報を確認。
お部屋のチェックを兼ねて暖房を入れておきます。
15時からフロントに立ってゲストの到着を待ちます。
まるでホテルマンみたい。

静かな入り江です

今度は夕食の準備

今日もまた日が暮れてきました。
チェックイン受付を終えてレストラン棟に移動。
昨日のように夕食の準備と配膳、お片付けを繰り返す。
22時までひたすら働いて、ようやく自分たちの夕食(賄い)です。
今夜もオーナーさんとおしゃべりしながら夜はふけていきます。

この日の賄いはカルパッチョと揚げ物とレトルトカレー

「いやしの館」ではなく「疲弊の館」

民宿の小洒落たエントランス

一日の仕事を終えて、今夜も自分の部屋に帰ってきました。
さあ、今日の拘束時間は16時間を超えています。
「癒やしの館」というキャッチフレーズでしたが、私にとっては「疲弊の館」です。
全然癒やされるどころか、腰は痛いし、とにかく眠い。

拘束時間がとにかく長い。

朝6時から夜22時までお宿にいます。
それのに、途中の空いた時間(通称:手待ち時間)は給与計算に入れないという鬼のシステムになっています。
身体は拘束されているのに、分単位で給料が削られていきます。
手待ち時間を事業主の都合でこうやって都合よく控除して良いのかな?
「休憩時間一斉付与の原則」といって、こういうやり方は法律に抵触します。
はるか昔に大学の労働法の講義で習ったことを思い出しましたが、とりあえず現場のルールに従いました。
勤務時間約11時間x時給1100円=約12,100円がこの日のお給料でした。
こうして次の日もひたすら働きました。
ふうっ。

これでは旅ではなく過労死

「おてつたび」というのは基本的に旅行の派生形。
旅の合間にお手伝いして小銭を稼ぐというスタイルのはずです。
それなのに全然観光できず働いてばかりではなんのために来たのかわかりません。
このままでは働き過ぎで過労死しそうです。


だから、思い切ってオーナーと相談しました。
観光したいと言って、休み時間や休日を少し作ってもらいました。
同僚のバイトさんは私と違っていっぱい働いておカネを稼ぎたいようでしたが、それもそのはず。
それもそのはず、ここに来るまで交通費が掛かってますからね。。

オーナーさんも過労死寸前

私もヘトヘトですが、オーナーもかなり疲れている様子です。
モヤモヤとした暗~いオーラが全身に満ち溢れています。
定休日の年末年始以外は毎日こんな生活だそうです。
なにせ街から遠く離れた集落で人を集めようにも人がいない。
私の携帯「楽天モバイル」は、なんと圏外で電波がつながりませんでした。
それほど田舎なのです。

ところが「おてつたび」を試しに導入したところ、東京から観光ついでに働き手が次々やってくるように・・・。
かなり助かっているそうです。
「おてつたび」はこうやって地方の活性化に役立っていることは間違いないようです。

→ おてつたび、やってみた。(第4話)~最後の晩餐~ に続く

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